個展『透明庭園』
「今回の個展にあたりましては、シナベニヤ板の上にアクリル絵の具で制作した作品を新たに用意致しました。
もともと、アクリル絵の具による作品制作を行っていましたが、ここ数年は水彩絵の具による作品がほとんどでした。しかし、大作の制作の展望が膨らんで来るにしたがい、再びアクリルを使った制作をしたいという思いが強くなりました。
こうして、アクリルによる制作を再開したのですが、それまでの、水彩絵の具、カラーインクが持っている透明感のある独特の味わいが、アクリル絵の具による制作でも再現することが出来ないだろうか、ということが制作にあたっての一つのテーマになりました。
透明感を出して木目を生かした作品を作りたい、そうした思いで新たな作品を用意致しました。
加えて、木目が持つ「波紋」の模様を「水」に見立ててそのまま生かすことは出来ないだろうか?これが、新たな制作における主要なテーマとなりました。
必然と偶然が支配する自然の中で見られる光景は、二度と同じ姿を表すことはありません。
しかし、至る所で、必然と偶然による類似性を発見することが出来ます。
背後にある法則を人間はあれこれ空想しますが、そんなこととは無関係に(あるいは関係を持って)自然は存在します。木目の波形が、水の波紋を連想させるのも、そんな必然と偶然による類似性があるからなのだと思います。
つまり、自然の中に存在する類似性をそのまま利用して、木目によって水の波紋を描くという試みなのです。
新作「ガジュマル」は、昨年、旅行した沖縄で実際に見たものです。生命感あふれるその姿には、生きるための犠牲さえ求める残虐さも見る事ができます。
その場所で感じた、空気感、透明感を作品を通して少しでも感じて頂ければ、と願っています。
個展開催にあたりましては、木之庄企畫,ならびに関係するすべての方々に深く感謝申し上げます。」
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1.「ガジュマル」(2009)、アクリル、板、652×910 (P30号) 、人物アップ
2.「水の中の金魚と少女」(2009)、アクリル、板、318×410(6号)
3.「波紋と金魚」(2009)、アクリル、板、240×190(2号)
4.「波紋と金魚と陰」(2009)、アクリル、板、220×160(1号)
それ以前の作品
5.「防波堤」(2008)、水彩、カラーインク、アクリル、紙、728×515
6.「岬」(2008)、水彩、カラーインク、色鉛筆、紙、364×515
7.「風鈴」(2005)、水彩、カラーインク、紙、257×364 *
8.「酒屋」(2006)、水彩、カラーインク、紙、257×364
9.「階段」(2006)、水彩、カラーインク、紙、257×364
10.「水中」(2007)、水彩、カラーインク、紙、515×728
11.「少女」(2008)、水彩、カラーインク、紙、257×364
12.「蝶と人魚」(2004)、水彩、カラーインク、紙、257×364
13.「中国庭園」(2006)、水彩、カラーインク、紙、364×515
14.「窓」(2000)、水彩、カラーインク、紙、266×377
15.「富士山」(2003)、水彩、カラーインク、紙、515×364
16.「クレーター」(2000)、アクリル、紙、728×1030
17.「天使」(1999)、アクリル、紙、740×540
(*売却)
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>関 陽(aqui) 個展 『透明庭園』
2009/3/10(tue)〜17(tue), 10:30〜18:30 (会期中無休)
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